2016年5月7日土曜日

火星の人 アンディ・ウィアー

ハヤカワ文庫SF 2014/8/22
http://www.amazon.co.jp/dp/415012043
http://www.amazon.co.jp/dp/415012044
映画「オデッセイ」



地球科学・生命科学的な話題はまったく出てこないのですが、火星を舞台にしたリアル系SFでは最高傑作! 素晴らしい作品と先入観念を与えてしまっても、まず失望する心配のない作品です。

火星環境について、クレーター、谷、砂嵐、それだけ。景観に関する情緒的な表現は一切なし。生命の痕跡探しなんてのも一切なし。生存のためにジャガイモを育てるのに必要な土と水をどうやって作り出すかとか、通信をどうやって回復するかとか、サプライ物資をどうやって生存中に送り届けるかとか、技術論だけでぐいぐい引っ張ります。それもサバイバルする主人公だけの物語じゃなくて、残りの5人のクルー、NASAの人々が大活躍する物語です。

登場する4人の女性、火星往還機の船長で主人公を火星に置き去りにした責任を負うルイス、同じくシスオペでアイドル並みに人気のある若いヨハンセン、NASAの広報責任者で時々べらんめい口調が出るアニー(もしかしたらテキサス訛り?)、火星の人工衛星画像で主人公を追うミンディがまたそれぞれ魅力的。

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