2016年1月3日日曜日

レッド・マーズ キム・スタンリー・ロビンスン

創元SF文庫 1993年

マーズ三部作
 ネビュラ賞、星雲賞、英国SF協会賞受賞。2026年、火星の多国籍からなる植民者100人が入植する。火星環境の改造と独立戦争をリアルに描く。火星環境改造の手法として、バイオ・テクノロジー、マントルまでの掘削孔(モホール)の掘削、氷小惑星を火星に衝突させるなどが登場。小惑星の鉱物資源を利用して軌道エレベータが建設される。

 行政能力に優れ、権力志向の強いフランク・チャマーズ、最初の火星飛行士で、英雄として尊敬を集めているジョン・ブーン、美貌で多感・激情型のマヤ・トイトヴナ、天才的な土木技師で朴訥なナディア・チェルネシェフスキィなど数十人もの登場人物を描きわける力作。

 2061年に火星の第1次独立戦争が勃発、軌道エレベータは破壊され、帯水層からの水の噴出による大洪水、フォボスの落下というカタストロフィーの後、the First Fundred(最初の100人の入植者)の生き残りたちは国連暫定政府に追われ、逃亡の旅に・・・。

(横浜研開架)

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