2017年2月11日土曜日

ふしぎ国探検, 海野十三

1947-48

同級生の東助とヒトミは、樽の形をした小さな飛行物体から現れたポーデル博士に会う。3人は非ユークリッド空間である樽ロケット艇に乗り込み、ふしぎな国に案内される。

2017年1月30日月曜日

アトランティス・ジーン三部作, A・G・リドル

第二進化〈アトランティス・ジーン①〉2016/4/22
https://www.amazon.co.jp/dp/415012065X/
第二進化〈アトランティス・ジーン①〉2016/4/22
https://www.amazon.co.jp/dp/4150120668/
人類再生戦線(上)〈アトランティス・ジーン②〉2016/7/7
https://www.amazon.co.jp/dp/4150120803/
人類再生戦線(下)〈アトランティス・ジーン②〉2016/7/7
https://www.amazon.co.jp/dp/4150120811/
転移宇宙〈アトランティス・ジーン③〉2016/10/21
https://www.amazon.co.jp/dp/415012096X/

7万年前から7万5千年前にインドネシアのスマトラ島のトバ火山が大噴火し、現生人類(ホモサピエンス・サピエンス)とネアンデルタール人は絶滅の危機に瀕し、またそれ以外の人類は全滅している。それを盛り込んだ珍しいSF。


「転移宇宙」は横浜研図書館で処理中。その他は開架で公開済み。

深海の庭園, シンディ・ヴァン・ドーヴァー

原著1996年、草思社1997.3.24


海洋生物学者で米アルヴィンの女性パイロットにもなったシンディ・ヴァン・ドーヴァーの自伝。

地底旅行, ジュール・ヴェルヌ, 倉園紀彦

ビームコミックス2016.4.6、2016.9.26

https://www.amazon.co.jp/dp/4047309559/
https://www.amazon.co.jp/dp/404726329X/

比較的原作に忠実に漫画化している。第3巻も発売予定。

(2巻までJAMSTEC横浜研に寄贈済み)

夢みる葦笛, 上田早夕里

短編集。光文社2016.9.20


「夢みる葦笛」:歌うイソギンチャク人間
「眼神(マナガミ)」:
「完全なる脳髄」:十個の生体脳を自分の体の各所に移植した人間。
「石繭」
「氷波」:土星の輪でサーフィン
「滑車の地」:地表面を冥海に覆われた惑星。冥海にはさまざまな泥棲生物(ヒジ)が棲む。人はいくつもの塔に住み、塔の間にはロープが渡され、人々は滑車で移動する。
「プテロス」:メタンの雲からメタンの雨が降り、液体エタンの池がある太陽系外惑星に棲むシリコン系の飛翔生物。高さ300mの〈凍石柱〉はプテロスの幼体が積み重なったもの。
「楽園(パラディスス)」:メモリアル・アバター
「上海フランス祁斉路(チジロ)320号」
「アステロイド・ツリーの彼方へ」



1859年の潜水艇 天才発明家モントゥリオールの数奇な人生, マシュー・スチュワート

原著2003年、ソニー・マガジンズ2005.9.30


潜水艇を発明したスペインのナルシス・モントゥリオールの伝記。
1859年6月28日に〈イクティネオ号〉が進水。その年の夏が終わるまでに水深20mまでの潜航に成功。3人乗り、人力で約1ノット。
1859年9月23日、バルセロナ市民向けのデモンストレーションに成功。
1864年10月2日、〈イクティネオ二世号〉が進水。5月20日、水深30mまでの試験潜航に成功。二酸化炭素浄化装置(水酸化カルシウム溶液に空気を通すことで二酸化炭素を除去)の作動に成功。

  • バラストタンクの水を排水するために、石炭と硝酸ソーダと酸化マンガンを混ぜたものに点火することで圧縮ガスを得る。
  • 酸素発生装置:二酸化マンガンを触媒にして、低温で塩素酸カリウムを塩化カリウムガスと酸素ガスに分解。
  • 酸素量計測装置、二酸化炭素濃度計測装置:
  • 水中照明装置:水素と酸素を燃焼させ、少量のジルコニウム、マグネシウム、酸化亜鉛その他を混ぜて炎の明るさと色を向上。
  • 伸縮式ハサミ
  • 動力:それまでは人力だったが、それに代わる手段として、水上航行には石炭を使う通常の蒸気機関を使用。水中航行には亜鉛53%、二酸化マンガン16%、塩素酸カリウム31%の反応を利用したボイラーが生成する酸素を用いた小型のエンジンを使用することを計画。

1867年12月14日、亜鉛53%、二酸化マンガン16%、塩素酸カリウム31%の反応を利用した酸素生成エンジンの水中試験。潜水艇内部が50℃まで上昇。

シンカイ/SHINKAI, 金成陽三郎&木田翔一

ヤングジャンプコミックス2015.7.22


しんかい6500の新人コパイロットの波多海拓が主人公。
海底に遺棄された魚網の海洋生態系への影響(ゴーストフィッシング)、熱水噴出孔、浮上しなかった海底設置機器の回収、メガロドン

2017年1月18日水曜日

時の眼〈タイム・オデッセイ1〉 アーサー・C・クラーク&スティーヴン・バクスター

原著2004、早川書房22006.12.10

火星の挽歌〈タイム・オデッセイ3〉、アーサー C. クラーク &スティーヴン・バクスター

原著2008年、早川書房2011.12.10


2042年に引き起こされた太陽の嵐から27年後。Q爆弾と名付けられたファーストボーンの武器が地球をめざして進み続けていた。

ジュール・ヴェルヌの世紀-科学・冒険・《驚異の旅》 フィリップ・ド・ラ・コタルディエール

原著2004, 日本語訳2009、東洋書林

2017年1月16日月曜日

アンダーアース・アンダーウォーター 地中・水中図絵, アレクサンドラ・ミジェリンスカ&ダニエル・ミジェリンスキ

原著2015年、徳間書店 2016/12/16

公式サイト
http://www.underearth-underwater.jp/

Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/419864215X

表紙からはアンダーアース、裏表紙からはアンダーウォーター、という裏表の両方から読む絵本。カバーの裏側は地面の中で育つものの一覧図になっている。
アンダーアースは、地面の中で生きている生き物、地面の中で育つ植物、地面に埋まっている人工物、天然資源、化石、洞窟、大深度掘削、プレートテクトニクス、火山活動、中心核まで。

アンダーウォーターは、湖と海の生物、浮力の話、サンゴ礁、水圧の話、ダイビング、潜水艦の歴史、深海の巨大生物、石油掘削、深海の科学調査、深海生物、キャメロン監督のディープシー・チャレンジャー号まで。

2016年11月30日水曜日

深海ランデブー, ぶきやま

IDコミックス REXコミックス 2016/5/27
https://www.amazon.co.jp/dp/475806587X/

なんと、ダイオウグソクムシが、かわいいヒロインとなって登場する作品。

主人公は大学の海洋研究室の大学院生。大学院生が一人乗りの潜水調査船で深海生物の研究ができる時代。鯨骨コロニーで採取したダイオウグソクムシに恋する。
ほかにラブカ(カグラザメ科)、ウバザメ、カンテンナマコ、クマノミ、ツガイ、オニイトマキエイ、ダイオウイカ、オウムガイ、コウモリダコ、

ゼロの激震, 安生正

宝島社 2016/4/22

発端は東京湾浦安沖でのマントル層まで達する深さ50kmの深層掘削による地熱発電計画。ドリリングではなく、地下トンネルを掘るシールドマシン『ガイア』で鉛直方向に掘削する直径200mの立坑掘削。600度の高温に耐えられる。
掘削開始から9年後に、2000万キロワットの東京湾第一発電所バベルシステムの稼働が開始される。

この立坑掘削中に発見された関東フラグメントは多孔質な破砕帯である。そこに石炭ガス化複合発電である京葉第三火力発電所から排出される二酸化炭素を貯留する計画が密かに進められていた・・・。

書評
http://ameblo.jp/sp1023/entry-12159916064.html

エマノン・シリーズ, 梶尾真治

(徳間文庫)

(徳間デュアル文庫)
  • 「おもいでエマノン」2000/9
  • 「かりそめエマノン」2001/10

(コミックス)
  • 鶴田謙二、梶尾真治「おもいでエマノン」(リュウコミックススペシャル)2008/5/20
  • 「さすらいエマノン」2012/4/3
  • 「続 さすらいエマノン」2013/11/30

地球に生命が誕生して以来の記憶を母から娘へと受け継いできたエマノン(No Nameの逆さ読み)の物語。

著者へのインタビュー
http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/010701.shtml

2016年6月19日日曜日

クラッシャージョー11 水の迷宮 高千穂遥

ハヤカワ文庫JA 2013.2.20
https://www.amazon.co.jp/dp/B00KID92QM/

 まずクラッシャーシリーズの基本設定を紹介すると、2111年にワープ機関が完成して人類の銀河全域への進出が始まる。すでに飽和状態になって危機に瀕していた太陽系からの集団殖民がはじまるが、発見された惑星のほとんどがなんらかのテラフォーミングを必要とした。そのテラフォーミングを請け負ったのがクラッシャーの起源という。

 さて、それから50年後が今回の話。22年前に。大部分が海洋に覆われた惑星マルガラスが発見される。その後の経緯は省略して、現在は行政を司るシェオールと反政府軍オズマという2つの陣営の境界に中立地帯が設けられている。その中立地帯に古代遺跡が発見され、銀河連合が先史文明探査のために海底遺跡調査船〈ペセルダ〉を派遣する。その先史文明探査チームのチーフ、ディーラーの護衛をクラッシャー評議会に依頼する。

 シェオールの宇宙ステーションから投下された交易物資ギフトが誤って中立地帯に落下し、それを奪うためにシェオールとオズマのギグが投入される。宿敵同士であるシェオールの黒のギグ〈ウオーラス〉とオズマの銀色のギグ〈シルバーバック〉の戦闘に〈ペセルダ〉が巻き込まれ、〈シルバーバック〉が放ったミサイルから〈ペセルダ〉を守ろうとした〈ウオーラス〉が〈ペセルダ〉の甲板上に墜落する。

 〈ウオーラス〉から救出された操縦士アプサラは人工両棲人間の女性だった。アプサラは戦線離脱した傭兵ということでショール軍から解雇されたため、ディーラーが井関の発掘要員としてアプサダを雇用する・・・。

2016年5月7日土曜日

ピカイア! NHK

2014年3月29日放送
http://www.production-ig.co.jp/hotnews/2014/031701.html

なんとカンブリア紀の海を舞台とするアニメ。
オパビニア、ハルキゲニア、ネクトカリス、アノマロカリスが登場する。

ダークウィスパー /Dark Whisper 山下いくと

単行本初版(バンダイ版)1990年7月30日発行。単行本は(3)まで。電撃コミックスでの隔月連載は未完結のまま2012年6月に終了している。
電撃コミックス EX
(1) 2000/3
http://www.amazon.co.jp/dp/4840214999/
(2) 2002/5
http://www.amazon.co.jp/dp/4840221227/
(3) 2004/1
http://www.amazon.co.jp/dp/484022563X/
Pure cyber comix
(1) 1990/7/30
http://www.amazon.co.jp/dp/4891890975/
(2) 1992/3
http://www.amazon.co.jp/dp/4891891769/

(中野 武さんの紹介文)
『新世紀エヴァンゲリオン』・『OVA版戦闘妖精雪風』等のメカニカルデザイナーとして知られる「山下いくと」が、これらに先立ち「描いていた」マンガ。
初出は1990年。
記憶では作者名は山下「育人」と書かれていた気がする…。(きお誠児さんと共に見かける事が多かった)

とても24年前の作品とは思えない流麗なデザインラインのメカニックがこれでもかと登場。 今でも十分通用する。「海洋系デザインとはこういうモノをいうんだ」と納得させられた。いわゆる「普通のマンガ」ではないので「読者を選ぶ」のが難点w

【あらすじ】(wikiより)
近未来、第3次世界大戦勃発と同時にアメリカ合衆国が「消失」した8年後の世界で、物語はプエルトリコから始まる。海底の沈没船から得体の知れないカプセルを盗み出したエノラは、突如、中から現れた黒髪の少女コヨミと出会う。偶然の覚醒だったが、祖国が消えてしまった事実を確認すると、コヨミは自分が「合衆国CIAの特殊工作員仕様の加工体…幼生固定体(ゾエアロックス~Zoea Locks)」である事を明かす。

国民の多くを伴い「消えた」アメリカ合衆国を巡り、再構築された各国の意図は大国消失後の新たな経済圏の発達と共に「合衆国消失の謎」に密かな争いを加速させる。
世界はすでに大規模な海面上昇に見舞われた時代であり、北極海、ニュージーランド等、海を舞台に展開される海洋冒険SF。
ーーーーーーーーーー
物語には「日本」も登場。
戦後8年の間に『第二次産業革命』があり、日本も海上移動都市国家「ギガンティック・トウキョウ」とに分裂している。作中では「技術革新で向かうとこ敵無しの日本が自分で作った競争相手」として紹介されている。

余談ですがこの「ギガンティック・トウキョウ」を私は自持ちのSIMの一つに命名しておりますw

(西村屋の紹介文)
単行本初版(バンダイ版)1990年7月30日発行。2000,電撃コミックス。2008年10月現在連載中。

 加工体コヨミとオーリオールがエラを持っている
 1990-92年の作品。作者は、「エヴァンゲリオン」、「不思議の海のナディア」、「青の6号」のメカニック・デザインも担当されている。素晴らしい海洋SFコミックス。

 第三次世界大戦の勃発直後、当事国だった合衆国が謎の消滅(マジック・リヴァティー)。その8年後、海中から引き揚げられた救助待機冬眠槽(レスキューフリーザー)から蘇生した米CIA特殊工作員仕様の加工体コヨミ(NIMBUS、アリス1)。別に蘇生した6人の米兵士たちは、浮上した巨大なトリマランに積まれた宇宙往還機に乗り込む・・・。

 その4年後、WSA(国際海洋資源調査隊)<アルビオンIII>(英国船籍。通常とは砕氷方向が上下逆のアッパータイプの砕氷船)は、北極観光財団の双胴砕氷船の救難に向かう・・・。

 その他、主人公ネレディー(ニド)・メスティス、その後見人のMr.ルースマ、ジェフ(ティファ)、豪州外務省合衆国資産管理局情報員の<アニタ・アルバーニ>、北極の謎の少女<オーリオール、メッセンジャー、アリス2>、エノラ(コヨミと一緒に民間救助会社<ウサギちゃんカンパニー>を開業)、ネコの十兵衛、シャチのジブジブが主な登場人物。

 <アルビオンIII>と超伝導電磁推進潜水艦との北極海での闘いなど凄い迫力。海面調整堤<コントロールバリアー>と海上新産業区<プロフィティス>、海中グライダー型のLNG省力潜水タンカー<プラスボイジャー>、海上移動都市国家<ギガンティック・トウキョウ>(全長15km)

AO6 小澤さとる

マンガショップシリーズ 459~461 2013/6/20
http://www.amazon.co.jp/dp/4775914634/
http://www.amazon.co.jp/dp/4775914642/
http://www.amazon.co.jp/dp/4775914650/
...
「サブマリン707外伝」("U"の潜水艦ラマデイン号討伐のため、国連平和維持軍PKNに派遣された707)、
23000年の潜航Vol-1「707-ディスカバー」、
「AO6スケアクロー」(青の6号最終編)、
「サブマリン707外伝バトルリング」(707の最終作品。707艦長、速見湧の妻がちらっと登場)のボールペン・ラフを収録。

前田真宏監督、GONZOによるあまりに有名なOVA版「青の6号」と同時期の作品。宮武一貴氏も協力している。オゾン層破壊による紫外線の脅威から逃れるため、人類を深海に移住させるアクエリアス計画が進められている世界。国連海中監視機構AOと海洋テロ結社のジオス(ジオサイド)との戦い。鮫のロンチーニ(ロレンツィーニ)瓶嚢(びんのう)を応用したロレンツィーニ・システムが登場する。

海洋地球研究船「みらい」-とっておきの空と海 柏野祐二 堀E.正岳  内田裕

幻冬舎 2014/6/12
「みらい」から撮影した熱帯、北極海、南極海の写真集。
http://www.amazon.co.jp/dp/4344025881/

ユメのダストBOX 小澤さとる

http://www.mangashop.jp/bin/mainfrm?p=topics%2Fozawa#yu
非売品 マンガショップ「サブマリン707F」全5巻購入特典。
出版に至っていない大量の原稿のなかの珠玉の未発表作品集。...

アニメ「サブマリン707R」に使われた707のさまざまな設定資料、小沢作品の中で最も魅力あるキャラ、茶衣香(カモメ)が登場する「Depthwars 潜水艦どんがめ一家 サブマリン707 深海2万3000年の航海」とその別バージョン「ゾーンダイク編」、「青の6号AO6」のボールペンラフ、画業50周年記念の複葉機まんが「レッドアクロス」、2010年、東日本大震災後に描かれた「ニューダッチ ロボダッチ」が収録。


嵐の洋上シーンや複葉機からの地上の風景など、メカデザインだけでなく自然描写が素晴らしい。多くの漫画家、メカデザイナー、映像監督に多大の影響を与えた映像・設定マンガ家である小沢作品の魅力が存分に味わえる。

巨大災害 MEGA DISASTER 地球大変動の衝撃 NHK

2014年8月30日 第1集 異常気象 "暴走"する大気と海の大循環
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20140830
2014年8月31日 第2集 スーパー台風 "海の異変"の最悪シナリオ
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20140831

2014年9月20日 第3集 巨大地震 見えてきた脅威のメカニズム
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20140920
2014年9月21日 第4集 火山大噴火 迫りくる地球規模の異変
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20140921
2014年11月15日 地球大変動の衝撃 日本に迫る脅威 激化する豪雨
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20141115

デセプション・ポイント ダン・ブラウン

上下巻
http://www.amazon.co.jp/dp/4047914932/
http://www.amazon.co.jp/dp/4042955096/

「ダ・ビンチ・コード」で有名な著者による作品だが、読み始めは大統領選挙を巡るスキャンダル含みの社会小説。もうちょっと読むと意外なことにNASAによる生命科学上の大発見。下巻まで読むと、海洋SFと分類せざるを得ないことが分かる。

 最後までどんでん返しだらけだが、日本ではダイオウイカと並んで超有名な深海生物がある鍵となっているため、日本の読者は上巻を読んだ時点で下巻の展開が予想できてしまうのがちょっと不幸かも。...

 ナショナル・ジオグラフィックの番組で案内役だったウッズホール海洋研のバラード博士をモチーフにしたと思われる研究者がヒロインの恋人役。
 中央海嶺で時折発生するメガプルームに調査船が巻き込まれるシーンもある。


このほか突っ込みどころ満載だが、ネタバレになるので、ここまでにします。

火星の人 アンディ・ウィアー

ハヤカワ文庫SF 2014/8/22
http://www.amazon.co.jp/dp/4150119716

地球科学・生命科学的な話題はまったく出てこないのですが、火星を舞台にしたリアル系SFでは最高傑作! 素晴らしい作品と先入観念を与えてしまっても、まず失望する心配のない作品です。

火星環境について、クレーター、谷、砂嵐、それだけ。景観に関する情緒的な表現は一切なし。生命の痕跡探しなんてのも一切なし。生存のためにジャガイモを育てるのに必要な土と水をどうやって作り出すかとか、通信をどうやって回復するかとか、サプライ物資をどうやって生存中に送り届けるかとか、技術論だけでぐいぐい引っ張ります。それもサバイバルする主人公だけの物語じゃなくて、残りの5人のクルー、NASAの人々が大活躍する物語です。

登場する4人の女性、火星往還機の船長で主人公を火星に置き去りにした責任を負うルイス、同じくシスオペでアイドル並みに人気のある若いヨハンセン、NASAの広報責任者で時々べらんめい口調が出るアニー(もしかしたらテキサス訛り?)、火星の人工衛星画像で主人公を追うミンディがまたそれぞれ魅力的。

マグマ 真山仁

初出2005、朝日文庫2008、角川文庫Kindle版2012
http://www.amazon.co.jp/dp/B009GPM8DC/

相次ぐ国内の原発でのトラブル隠しと、成長著しいアジア諸国での原発建設ラッシュを牽制するため、先進国エネルギー問題会議で「五年以内を目処に日本の原発の閉鎖」を勧告される。そんななかで、それまで見捨てられていた地熱発電に政財界のさまざまな思惑がひしめくなか、民事再生中の地熱開発会社を巡る話。
...
初出の2005年は、ありえないと思われた国内原発の全停止という設定が、福島原発以降に現実のものとなってしまって、この作品の意味合いがまったく変わってしまった。

地熱開発会社の再生を担当するヒロイン31歳がなかなか魅力的。外資系投資ファンドの日本支店でシニア・アナリシストとして企業の買収と再生を担当している。目を見張る美貌の持ち主ながら、実力のみでで評価されたいというコンプレックスを持つ。

御嶽山噴火のこともあって、調べてみると、やはりマグマ溜まりと地下水の存在が必要でいかにも適地が限定されかつ不安定っぽいのだが、それに依存しない高温岩体発電というものがある(電中研報告書)
http://www.denken.or.jp/research/review/No49/index.html
水圧破砕によって貯留層を安定的に維持することがまだまだ難しそうな感じ。

一万年の進化爆発 文明が進化を加速した グレゴリー・コクラン ヘンリー・ハーペンディング

日経BP社 2010/5/27
http://www.amazon.co.jp/dp/4822283992

長沼先生ご推薦
http://r25.jp/business/00038849/

チート剣士の海中ダンジョン攻略記水着娘とハーレム巨船 猫又ぬこ

HJ文庫 2014/10/31
http://www.amazon.co.jp/dp/4798609145

ピラミッド形の謎に包まれた巨大な「海中迷宮」、それを攻略する「蒼海潜姫」、彼女らは人智を超えた力を持つ水着型の装備「海帝潜装」を着用する。いわゆるハーレムもの。

磁極反転 伊与原新

新潮社、2014.8.20
http://www.amazon.co.jp/dp/4103362111

地磁気の崩落的な現象が始まり、日本でもオーロラが観測されるようになる。太陽からの高エネルギー粒子が衛星や宇宙ステーションのトラブルを引き起こすようになる。そんななか妊婦失踪事件が相次ぐ・・・。

2312 太陽系動乱 キム・スタンリー・ロビンスン

創元SF文庫、2014/9/20
http://www.amazon.co.jp/dp/4488707084

マーズ三部作(なぜか三作目の”Blue Mars”の和訳がずっと出版されていない)より未来。人類が水星から土星の衛星にまで進出し、テラフォーミングしている時代。小惑星をくり貫いてその中にさまざまな生態系を創り出す数多くのテラリウムが太陽系内を周回している。水星の夜側を常に移動都市「ターミネーター」に謎の隕石が襲う・・・。

凍りついた空 エウロパ2113 ジェフ・カールソン

創元SF文庫、2014/10/31
http://www.amazon.co.jp/dp/448875001X/

木製の衛星エウロパで資源開発が進む中、分厚い氷のなかで小さな生物の死骸が発見される。さらには氷の内部に規則的な刻印が刻まれているのが発見された。知的生物と思われるサンフィッシュと遭遇したヒロインはやむを得ず殺戮の上、無事生還するが・・・。

アトラス 海洋機構トリックアート 久楽健太

講談社 2014/4/18
http://www.amazon.co.jp/dp/B00JKERSZW/

舞台が東京23区の2倍の面積の人工島ということや、実はそれが水深1000mの海底ドーム都市であったというオチもあるが、基本的には海洋SFというよりはバーチャルリアリティやクローン人間がテーマのSFでした。

超潜航学園デルファータ 餅月望

集英社スーパーダッシュ文庫 2014/7/25
http://www.amazon.co.jp/dp/4086307960/

80年前、激烈な海面上昇が始まり、人口が1/10以下にまで激減した人類は、7つの海底都市「ニューワシントン」(旧米大陸東海岸)、「ユグドラシル」(旧仏国)、「大和」(旧東京湾)、「竜宮」(旧沖縄)、「アークⅠ」(旧アフリカ北部)、「アークⅡ」(旧アフリカ南部)、「モスクワ連合」(旧ロシア)に移り住む。これは地球温暖化ではなく、海底から水より比重の重い液状物質『パールスα』がわきだして、それが海水を押し上げたのだ。

 この人類未到の『深黒海』を調査・探索のために潜航学園都市マリューダが建造された。そこに集まるのは高性能潜水甲冑デルファータ(海の妖精)DEFのパイロットとなる適性を持つ少女たちだった。そこになぜか適性がないにもかかわらず採用された少年が主人公。...
 ということでこの作品も第2巻の出版を期待したい。

碧き青のアトポス やまむらはじめ

1-4 (サンデーGXコミックス)2014/7/18
http://www.amazon.co.jp/dp/4091573851/
2:2014/9/19
http://www.amazon.co.jp/dp/4091573894/
3:2015/4/17
http://www.amazon.co.jp/dp/4091574130/
4:2015/10/19
http://www.amazon.co.jp/dp/4091574270/
5:2016/4/18
http://www.amazon.co.jp/dp/4091574432/
6: 2016/10/19
http://www.amazon.co.jp/dp/4091574637/
7: 2017/4/19(完結)
http://www.amazon.co.jp/dp/409157484X/

名作「蒼のサンクトゥス」の作者による作品。消息を絶った海洋資源調査会社フェレットの調査船”かんなぎ”が数日後に発見されるが、船員70名、調査員25名は跡形もなく消えていた。

 その船員の一人が特殊スーツを来て主人公達の前に現れる。このスーツは深海2000mに沈んだ超古代文明の島「プロトゥ」から持ち出された〈武殻〉(タロア)だった。

ライプニッツ 大石まさる

ヤングキングコミックス、2014/12/26
http://www.amazon.co.jp/dp/4785954574/

 ヒロインは、どこかの払い下げの超深海有人探査艇「のーちらす10000」を騙し騙し使っている、とある大学の深海生物学の助教。母船は海洋調査船PutiPuti、ウエーブ・ピアサーっぽい船型。

 18年間に両親を木星の第2惑星エウロパで亡くし、穂高でドイツ人の祖母、ビアンカに育てられる。2人はエウロパで突然起きた「氷解」に巻き込まれてエウロパに取り残され、「立ち会えてよかった。彼らの旅立ちに・・・」という謎の言葉を残していた。



 それから18年後、第二次エウロパ探査隊が派遣される。ヒロインは巨大複合企業Air Techの外部契約者として、国連宇宙局のサジタリウスⅡ号よりも半年遅れて、エウロパに降り立つ。そこで潜水探査艇「まんぼう100000」に乗り込む、分厚い海氷下の地球外生命体と出会うために・・・。

うみの100かいだてのいえ いわいとしお

偕成社 2014/6/27http://www.amazon.co.jp/dp/4033322000

深さ方向に読んでいく絵本。船から落ちる女の子、不思議な泡の中に吸い込まれていく。ラッコの海藻の家、イルカの家、ヒトデの家、タコの家、タツノオトシゴの家、ウツボの家、クラゲの家、カニの沈没船の家、チョウチンアンコウの家、ヤドカリの家・・・

海学-海洋・深海 

今人舎 2014/8
http://www.amazon.co.jp/dp/490553030X/

ジュール・ヴェルヌが「海底二万里」を書く元となった実話の日誌という設定の仕掛け絵本。

1863年、主人公ゾティックが父の古い友人、アロナックス教授から探検航海に誘われる。蒸気船クイーン・ホーテンス号にはユーイングという海洋地質学の教授と銛打ちのネッド・ランドが同乗している。航海二日目に巨大な潜水艦が浮上する。現れた男は調査チームのリーダーのネモ船長。

海底の地形図、海の食物連鎖、古代生物、南極の棚氷とザトウクジラ、グレートバリアリーフ、沈没船の財宝、海底火山、熱水噴出と深海生物、アトランティスの海底遺跡・・・・

ヒトはイカにして滅んだのか? 

アクションコミックス 2014/1/28
http://www.amazon.co.jp/dp/4575843385/

何万年も前に人類は絶滅。イカリアンが高度な文明を築いていた。人類絶滅の謎を解き明かすため、イカリアンの考古学チームがタイムワープカメラを用いていくつもの仮説を提出。草食系男子による砂漠化、ゴキブリとの生存競争、ストレス人間の増加、空気汚染、理不尽な構図、格差、戦争と派閥・・・

海色の壜 田丸雅智

出版芸術社2014.10.25
http://www.amazon.co.jp/dp/488293471X

短編集。助けられたフグの恩返し、桜の花びらの怪、人の不幸を集めるミツバチによる蜂蜜、奇妙な魚を売る魚屋、うさぎ人間と月工場、老人に宿った寄る年波という波、部屋釣り、砂童子、ネクタイの結び方で泳ぎだすジンベイザメノット、ビーチグラスを漬けた海酒・・・。

タコの教科書 リチャード・シュヴァイド

エクスナレッジ (2014/6/28)
http://www.amazon.co.jp/dp/4767818249

 殻をなくした頭足類であるタコの生き残り戦略、色素胞によるカモフラージュとコミュニケーション、無脊椎動物であるタコの知能は脊椎動物より劣るとの定説を覆すタコの識別能力、個性の存在、自己認識、観察学習能力、タコの漁業、養殖への挑戦・・・ここまではいかにもタコの教科書であるが、さらに食文化では日本のたこ焼きを紹介している。

 タコがエロスと死という相反する象徴とされることの考察ではこれまた日本のポルノに「触手責め」というカテゴリーがあることにまで言及しているのはお見事!...
 さまざまな創作作品に登場するタコ/巨大ダコも紹介している。

絶深海のソラリス らきるち

MF文庫J、2015/6/25
Ⅰ:2014/3/22
http://www.amazon.co.jp/dp/4040663918
Ⅱ:2015/6/25
http://www.amazon.co.jp/dp/B00V4D4YBS/

コービーの海 ベン・マイケルセン

鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち 2015.6.19
http://www.amazon.co.jp/dp/479023309X

 中学一年生の少女コービーは4年前に事故で右ひざから下を失う。コーッビーの家はフロリダのキース諸島のロンサム島に停泊しているドリームチェイサー号。コービーは”ティットさん”というボートで海に出ている間は人生をお気楽に生きていける気がする。

 ある日、いつものようにボートで海に出かけると、沖合いでエビ漁の網に引っかかって傷ついたゴンドウクジラ”レディ”を助け、そのクジラが出産した赤ちゃんクジラ”スクワート”を助ける。...

薫香のカナピウム 上田早夕里

文藝春秋 2015.2.10http://www.amazon.co.jp/dp/B00T912CUW

 熱帯雨林に適応した小型の人類が主人公の物語。
「カナピウム」の説明が出てこないが、キャノピー(天蓋型の日除け)のラテン語で、蚊を追い払う網のついたベットの意味らしい。主人公たちが住む熱帯雨林の中の木の上の住居のことかもしれない。...

「華竜の宮」/「深紅の碑文」の世界との繋がりについても、どこにも説明がないが、人類が存亡の危機にあって、自ら新たな進化の方向を模索している状況の中での、ある時代の熱帯の島が舞台。白亜紀型のスーパープルームの時代かもしれない。

天空の約束 川端裕人

集英社 2015/9/30
http://www.amazon.co.jp/dp/B0188R7VKI

「雲の王」の続編ではないが、気象を予知する能力を持つ一族の物語。
微気候をうまく制御することで室内環境を整えることを仕事とする八雲助壱が主人公。

螺旋じかけの海 音喜多生体奇学研究所 永田例道

アフタヌーンKC – 2015/10/23、2016/12/22

https://www.amazon.co.jp/dp/4063880966
https://www.amazon.co.jp/dp/4063882284

海面上昇した時代貧しい人々が集う水没町が舞台。異種動物のキメラ体が企業で生産・販売されている。人と遺伝子操作動物を区別するため、「ヒト種優勢保護法」では分離不能な異種体組織が15%以上になると、ヒトとは判定されなくなる。これを悪用した犯罪が横行する。

ひとつ海のパラスアテナ 鳩見すた

電撃文庫 2015/2/10及び4/10
http://www.amazon.co.jp/dp/404869247X
http://www.amazon.co.jp/dp/4048650521
http://www.amazon.co.jp/dp/B0150UUY14
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21回電撃小説大賞を受賞。


すべての陸が海に沈んだ時代、アフターの世界でメッセンジャー(運び屋)として暮らす少女アキが主人公。ビフォアの世界の文明が誤って解読され、セーラー服が男の船乗りの制服となっており、アキはセーラー服を着て男のフリをしている。

海なき世界では朽ちた塩性樹(腐れ木)が循環海流が相殺しあう海の吹き溜まりに堆積して「浮島」(腐れ島)となる。そんな湿った樹木と海洋ゴミの塊がアフターの世界で人々が暮らす場だ。
ヒロインの過酷な試練がいささか多すぎるものの、その世界の特異な生態系と人々の生活描写が秀逸!

3巻まで刊行していて、ビフォアの人々がどこにいったか謎が次第に明らかになってくるが、まだ未完結。


http://otapol.jp/2015/02/post-2483.html

地底世界 サブテラニアン ジェームズ・ロリンズ

扶桑社BOOKSミステリー(上下巻)2016.1.10
http://www.amazon.co.jp/dp/B01B5KW5YC
http://www.amazon.co.jp/dp/B01B5KW60U

南極大陸の地下の巨大空洞に滅びた原始的文明の遺跡が発見・・・というと、グラハム・ハンコックのインチキ本「神々の指紋」に騙された本かと思ったら、そうではなく、ジュール・ヴェルヌの「地底旅行」を現代的な視点から再構築したなかなかの好作品。
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地底世界の生態系がどう維持されているかが一応考察されていて、地底湖の海獣の食べ物の大元となる植物プランクトンがどこから供給されているかとか、発光するカビが残留火山ガス由来の硫化水素からエネルギーを摂取するカビと、ある種の葉緑体がぎっしり詰め込まれた別のカビが共生したものであるとか、有袋類から進化した高等生物などが登場する。